GA4でAI検索経由の流入から検索クエリを可視化する
AI検索(ChatGPT/Claude/Gemini/Perplexity/Copilot)からの流入を計測・分析する仕組みづくりを進めた。GA4だけでは捕捉しきれない領域なので、referral調査 → プロンプト設計 → AI検索トラッカー(Claude Skillsで作成)での定点観測、という3ステップで構築した。その過程をまとめる。
GA4ではAI流入の全体像が掴めない
「AI検索からどれくらい流入があるのか」を把握したい場合、GA4のsession_startイベントをsource別に集計するのが第一手だが、これだけだと実態を大きく取りこぼす。
理由はシンプルで、ChatGPTやClaude、Geminiの多くはユーザーが回答内のリンクをクリックしてもreferrerを送らない。結果として、GA4上ではDirect扱いになり、AI経由であることが識別できないからだ。
なので「GA4で測れない部分は測れない」と割り切ったうえで、測れる範囲を最大限拾いに行く方針にした。
ステップ1:referral経由で取得する
最初にやったのは、event_name=’session_start’ のsource全件をdimensionで取り出して、AI関連ドメインがどれくらい混入してるかをBigQueryで確認すること。
直近90日で集計した結果、AI関連のreferralは以下の通り。
- chatgpt.com: 7セッション
- gemini.google.com: 6セッション
- perplexity.ai: 3セッション
- copilot.com: 1セッション
合計17セッション。少ない。が、これはあくまで「referrerを送ってきた分だけ」なので、実態の氷山の一角。それでも、どのAIからどこのページに着地したかは追跡可能なので、ここから仮説を作る材料にする。
ステップ2:ランディングページから「AIユーザーが何を求めているか」を逆引きする
17セッションのLP内訳を取って、AIごとに着地ページの傾向をクラスタリングした。事実だけを並べると、見事にAIごとにユーザー像が違っていた。
- ChatGPTから着地:トラブル・解約・代替手段の検討など、悩み・課題ドリブンの記事
- Geminiから着地:TOPページや個別の商品紹介ページなど、ブランド・指名検索の系統
- Perplexityから着地:安全性・リスク・デメリットの検証など、ファクトチェック系の記事
- Copilotから着地:料金・周辺知識・操作方法など、雑多
上記から、ChatGPTは「悩みを相談する場」、Geminiは「指名検索の代替」、Perplexityは「ファクトチェックする場」として使われている?のようなイメージがつく。
この事実をベースに、AI検索でブランドがどう言及されているかを定点観測すべきプロンプトを10個挙げ、最初の検証として5個に絞った。
- ★評判(指名・購買検討)
- 〇〇とは(カテゴリ説明・認知)
- 〇〇は体に悪い?(ファクトチェック)
- 〇〇に必要な〇〇(課題認識)
- 〇〇 おすすめ(カテゴリ大本命・比較検討)
選定基準は「LPから逆引きして、ユーザーが実際に投げてそうなプロンプト」。一般論の検索ボリューム上位を取るのではなく、自社サイトに来ている人がAIに何を聞いているかを推測する形にした。
ステップ3:AI検索トラッカーで記録する
選定した5プロンプトを、各AIに投げて回答内容をスプレッドシートに記録する仕組みが「AI検索トラッカー」というものをClaudeのSkillsで作成した。。スプレッドシートの列構造は13列で、以下の情報を残す。
- プロンプト本文
- AIごとの回答概要
- 自社ブランドの言及形式(言及無し / ブランド名 / 引用リンク)
- 引用元URL
- 仮説・気づき
定点観測することで、ブランドがAI回答内でどう扱われているか、競合がどう露出しているかを月次で追える。
ステップ4:スプシ記入はCoworkに任せる
Claude分の5行は自分の回答として即書ける。残り4AI(ChatGPT/Perplexity/Copilot/Gemini)については、Gemini以外の自動書き込みは成功した。Geminiだけ、手動で書き込むことにした。
いずれにせよ、最終的なスプシへの書き込み作業はCoworkに渡せば実行してくれる。GASを書いて流すのと、Coworkに自然言語の指示書を渡すのとでは、後者のほうが「修正の柔軟性」が圧倒的に高い。GASは想定外の構造に当たった瞬間にエラーで止まるが、Coworkは指示文の意図を汲んで埋めにいく。
Coworkに渡した指示書には以下を明記した。
- 対象スプシURLとシート名
- 13列の列構造と各列の意味
- 書き込むデータ全文(A〜M列すべて)
- A列のNo.は実際の最終行+1から振る指示
- F列のプルダウン項目チェック(既存に登録されてなければ追加)
- 完了確認項目
「最終行+1から番号振って」みたいな曖昧な指示でも、Coworkは文脈で解釈する。GASで同じことをやるなら、最終行取得→+1→セル指定、と工程ごとにコードを書く必要がある。一度きりの作業ならGASを書く時間がそのままロスになるので、Coworkに任せたほうが速い。
学び3つ
ここまでやって得た学び。
- AI検索流入の「数」をGA4で測るのは諦める。だが「referrerを送ってくれた一部のサンプル」を質的に分析するだけで、AIごとのユーザー像はかなり鮮明になる。
- プロンプト設計は、検索ボリュームから逆算するより「自社LP着地の事実」から逆算するほうが解像度が高い。同じカテゴリでも、ChatGPT経由の人とGemini経由の人で求めてる答えが違う。
- 自動化できる部分とできない部分を最初に切り分ける。今回は5AI × 5プロンプト = 25行の記録が理想だったが、ブラウザ環境の制約がある箇所だけ手動で集める。完璧を狙って止まるより、できるところから動かす。
追記:GA4 AI Assistantチャネル追加
なお、2026年5月13日、GoogleはGA4のデフォルトチャネルグループに「AI Assistant」チャネルを正式に追加した。ChatGPT・Gemini・Claudeなどから付与されたreferrerを自動的にこのチャネルに振り分ける仕組みで、mediumには「ai-assistant」、campaignには「(ai-assistant)」が自動で入る。これまで手動で正規表現を組んでカスタムチャネルを作っていた手間がなくなる点においては便利になりそうだ。
ただし、レイヤーで言うと「分類」の話で、「捕捉」の話ではないだろう。referrerが付かないセッション(モバイルのアプリ内ブラウザ経由など)は引き続きDirect扱いのままで、AI経由の計測問題が解決したわけではないと考えているので、引き続き検証していく必要がありそうだ。
